夏場のシャッタートラブルでお困りではありませんか?
高温多湿の日本の夏は、シャッターにとって過酷な環境です。この記事では、夏に多発するシャッター故障の原因と具体的な解決法を徹底解説します。
夏場にシャッターが故障しやすい理由
夏場の日本は、高温多湿という厳しい環境がシャッターに様々なストレスを与えます。
気温が30℃を超える日が続くと、シャッターの金属部分は大きく膨張し、湿度が高いとモーターや電気系統に負担がかかります。
さらに、突然の夕立や台風などの急激な気象変化も、シャッターの故障リスクを高めます。
夏場にシャッターが故障する主な原因は、高温による部品の膨張と変形、湿気による電気系統の不具合、そして強風や豪雨による物理的ダメージの3つです。
高温多湿で起きるシャッター故障TOP5
1. モーターの過熱停止
夏場のシャッター故障で最も多いのは、モーターの過熱による停止です。
電動シャッターのモーターは、気温が35℃を超えると内部温度が上昇し、安全機構が働いて自動停止することがあります。特に直射日光が当たる場所や風通しの悪い場所に設置されているシャッターは要注意です。
2. レールの膨張によるスムーズさの低下
高温によるレールの膨張は、シャッターの動きを妨げる主要因です。
金属は熱によって膨張する性質があります。夏の強い日差しを浴びると、シャッターのレールが膨張し、本来のサイズより大きくなることで、シャッターの動きが悪くなります。
特にアルミ製のレールは膨張率が高いため、注意が必要です。
3. 湿気による電気系統の不具合
湿度の高い夏場は、シャッターの電気系統にとって大敵です。
梅雨から夏にかけての高湿度環境では、シャッターの電気系統内に湿気が侵入し、ショートや接触不良を引き起こすことがあります。特に古いシャッターや屋外に露出している配線部分は湿気の影響を受けやすいです。
4. シャッターボックス内の結露による錆び
シャッターボックス内の結露は、部品の錆びを促進させ、故障の原因となります。
外気と室内の温度差が大きい夏は、シャッターボックス内で結露が発生しやすくなります。この水滴が鉄部分に付着すると錆びの原因となり、長期間放置すると動作不良を引き起こします。
5. 強風や突然の豪雨による物理的ダメージ
夏の突然の豪雨や台風による強風は、シャッターに物理的なダメージを与えることがあります。
夏場の突然のゲリラ豪雨や台風は、シャッターに大きな負荷をかけます。強風でシャッターが振動し続けたり、豪雨で水がシャッター内部に侵入したりすることで、シャッターの動作に支障をきたすことがあります。
- 太平洋側(関東・東海):高温多湿対策を重視し、除湿と放熱に注力しましょう
- 日本海側:塩害対策も合わせて行うことで錆びの進行を防止できます
- 沖縄・九州南部:台風対策として補強パーツの活用を検討しましょう
故障タイプ別の具体的解決法
モーターの過熱停止への対処法
- 安全確保のため電源を切る:まずはシャッターの電源プラグをコンセントから抜くか、専用ブレーカーを落としましょう。安全を確保することが最優先です。
- モーターの冷却時間を確保:30分〜1時間程度、モーターが自然に冷えるのを待ちます。この間、モーター部分には触らないでください。焦って再起動すると、モーターに永久的なダメージを与える可能性があります。
- 効果的な日よけの設置:直射日光が当たる場合は、ホームセンターで購入できる遮光ネットや断熱シートを使って日よけを設置しましょう。100円ショップの日よけシートでも十分効果があります。
- 慎重に電源を入れ直す:モーターが十分に冷えたら電源を入れ直し、低速でシャッターを操作して、正常に動作するか確認します。異音や振動がある場合は、すぐに操作を中止してください。
モーターの過熱が頻繁に起こる場合は、モーター冷却用のファンを取り付けるという対策も効果的です。家電量販店やホームセンターで購入できる小型ファンで十分効果があります。
レールの膨張対策
レールの膨張によるスムーズさの低下には、以下の対策が効果的です。
2. 適切な潤滑剤の使用:シリコンスプレーなど、高温でも性能が落ちにくい潤滑剤をレールに塗布します。
3. レールの日よけ:可能であれば、レールに直接日光が当たらないよう日よけを設置します。
4. 朝夕の涼しい時間帯に操作:特に問題が起きやすい日中の高温時は操作を避け、朝や夕方の涼しい時間帯に操作するようにします。
※シリコンスプレーはできる限り、シャッター専用のものを使用してください。一般的な潤滑剤はホコリを吸着し、逆に動きを悪くすることがあります。
電気系統の湿気対策
湿気による電気系統の不具合には、以下の対策を行いましょう。
2. 防水処理:屋外にある配線接続部には、防水テープや防水カバーを使用して湿気から保護します。
3. 除湿剤の設置:シャッターボックス内に小型の除湿剤を設置すると効果的です。
4. 電気系統の清掃:スイッチ部分など、アクセスできる電気接点は定期的に清掃します。
※特に雨の多い時期は、シャッターボックス内の湿気チェックをしてみてはいかがでしょうか。市販の湿度計を設置すれば、簡単に湿度管理ができます。
結露による錆び対策
シャッターボックス内の結露による錆びには、次の対策が有効です。
2. 定期的な内部清掃:可能であれば2〜3ヶ月に一度、ボックス内部を清掃します。
3. 防錆スプレーの使用:鉄部分には防錆スプレーを塗布します。
4. 除湿剤の活用:シャッターボックス内に除湿剤を入れ、定期的に交換します。
※防錆スプレーを使用する際は、必ず換気を十分に行い、吸い込まないよう注意してください。また、スプレーがシャッターの動作部分に付着しないよう、周囲をマスキングテープなどで保護するとよいでしょう。
強風・豪雨対策
強風や豪雨に備えた対策として、以下の対処法が効果的です。
2. シャッターの補強:古いシャッターの場合、専用の補強パーツを取り付けることで耐風性を高められます。
3. 雨水の排水対策:シャッターのレール部分に雨水が溜まりやすい場合は、排水口の清掃を定期的に行います。
4. 風による振動対策:シャッターが大きく振動する場合は、専用の振動防止パーツを取り付けることをご検討ください。
※台風接近時は、シャッターを全閉にして、ロックをかけておくことが最も安全です。また、シャッターの周囲に飛散しやすいものがないか確認し、あらかじめ片付けておきましょう。
夏前にやっておくべき予防メンテナンス
夏本番を迎える前の5月〜6月頃に行っておくと、夏場のトラブルを大幅に減らせる予防メンテナンスをご紹介します。
1. 総合的な清掃とチェック
1. レールの清掃:レール内のゴミ、砂、小石などを取り除きます。
2. シャッターボックスの清掃:可能であれば内部の汚れを取り除きます。
3. スラット(シャッターの羽部分)の拭き掃除:埃や汚れを柔らかい布で拭き取ります。
4. 巻き上げバネの確認:異音や動きに違和感がないか確認します。シャッターパーツ用語
スラット(シャッターを構成する横向きの薄い板状の部品)
シャッターボックス(シャッターが収納される天井部分の箱状の構造)
※レールの清掃には、掃除機の細いノズルを使うと効果的です。その後、固く絞った布で拭き取ると、細かいゴミも取り除けます。
2. 潤滑油の補充
1. レール部分:シリコンスプレーなどの専用潤滑剤を薄く塗布します。
2. ローラー部分:回転部分に少量の潤滑剤を注油します。
3. シャフト部分:巻き上げシャフトがある場合は、その周囲にも注油します。
※潤滑剤は付けすぎると逆効果です。薄く均一に塗布するのがコツです。また、潤滑剤が床に垂れないよう、下に新聞紙やタオルを敷いておくと安心です。
3. 電気系統のチェック
1. スイッチの動作確認:すべてのスイッチがスムーズに動くか確認します。
2. リモコンの電池交換:夏前にリモコンの電池を新品に交換しておきます。
3. 配線の目視点検:露出している配線に劣化や損傷がないか確認します。
4. 漏電ブレーカーのテスト:テストボタンを押して、正常に動作するか確認します。
※スイッチの接点部分にホコリが溜まっていると、湿気で故障の原因になります。カバーを外せる場合は、乾いた布で優しく拭き取るとよいでしょう。
4. 日よけの設置
1. シャッターボックス上部:特に西日が当たる場所は、簡易的な日よけを設置します。
2. モーター部分:直射日光が当たる場合は、断熱材や日よけでカバーします。
3. レール部分:可能であれば、レールに日よけを設置します。
※日よけには、ホームセンターで販売されている遮光ネットや、断熱シートが便利です。見た目を損なわないよう、工夫して取り付けましょう。
プロに依頼すべきケース
以下の症状が見られる場合は、安全のためにも自己解決を試みず、すぐに専門業者に相談しましょう。
モーター内部のコイルが焼損している可能性があり、火災リスクがあります。
修理費用の目安:15,000円〜30,000円、修理期間:1〜2日。
フレームやレールの変形が進行すると、最悪の場合シャッター全交換が必要になることも。早期対応で部分修理が可能です。
修理費用の目安:20,000円〜50,000円、修理期間:1〜3日。
内部部品(ギア、スプリングなど)の破損が考えられます。放置すると完全に動かなくなる恐れがあります。
修理費用の目安:10,000円〜25,000円、修理期間:数時間〜1日。
漏電は火災や感電の危険があり、絶対に素人判断で修理しないでください。
修理費用の目安:15,000円〜40,000円、修理期間:1〜2日。
制御基板の故障が考えられます。
修理費用の目安:20,000円〜35,000円、修理期間:部品取り寄せを含め1〜5日。
1~5の各症例がみられるときは、プロに修理を依頼しましょう。修理業者を選ぶ際は、あらかじめ調べておくことも大事です。
夏場や台風のシーズンなどは修理の依頼が集中するため、依頼しても断られるケースがあります。
よくある質問(FAQ)
まとめ:快適な夏を過ごすためのシャッター管理
夏場のシャッタートラブルは、適切な予防メンテナンスと早めの対処で多くが解決できます。効果的な対策としては、月に1度のレール清掃と適切な潤滑剤の使用が挙げられます。また、湿気対策として除湿剤の設置と定期的な換気を行い、熱対策として直射日光を避けモーターに負担をかけないよう工夫しましょう。
台風シーズン前には総合的な点検を行うことも重要です。小さな異変も見逃さず早めに対処することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。さらに、夏場はシャッターの表面が高温になるため、遮熱塗料の塗布でシャッター本体の温度上昇を抑える効果も期待できます。
シャッターのプロフェッショナルに相談するタイミング
自己メンテナンスを行っても改善しない場合や、以下のようなケースでは専門業者への相談をおすすめします:
- シャッターの使用年数が10年を超えている
- 電動シャッターの複雑な不具合が発生している
- 異音や動作の不具合が頻繁に起こる
- 台風や強風によるダメージが心配される
信頼できるシャッター専門業者では、無料点検サービスや最短当日対応など、迅速かつ丁寧なサポートを受けることができます。特に夏の暑さが本格化する前に専門家の目でチェックしてもらうことで、夏場のトラブルを未然に防ぎ、シャッターの寿命を延ばすことができるでしょう。
シャッターは毎日使う大切な設備です。適切なメンテナンスで、夏場のトラブルを予防し、快適に過ごしましょう。この記事が皆様のシャッタートラブル解決のお役に立てば幸いです。快適な夏をお過ごしください!