夏から秋にかけて、日本列島を襲う台風。近年は大型化する傾向にあり、これまで経験したことのないような暴風雨に見舞われることも少なくありません。そんな中、お家を守る最前線として機能するのがシャッターです。
しかし、「台風でシャッターが破損したら…」「強風でシャッターが飛ばされたら…」と不安に思われている方も多いのではないでしょうか?
実は、適切な対策を講じていないシャッターは、台風の猛烈な風圧によって変形や破損を起こす可能性があります。
さらに、一度シャッターが損傷すると、家屋内部への雨水侵入や防犯面での脆弱性など、二次的な被害を招くリスクも高まります。
この記事では、台風や強風からシャッターを守るための具体的な対策と、万が一の際の緊急対応について詳しく解説します。大切なお家を守るため、ぜひ台風シーズン前に確認しておきましょう!
台風によるシャッター被害の実態
近年の台風は勢力を増し、これまでの常識が通用しないケースが増えています。気象庁の統計によると、過去10年間で風速40m/sを超える台風の上陸数が増加しており、それに伴いシャッター関連の被害報告も増加傾向にあります。
実際に、2018年の台風21号では関西地方を中心に多くの住宅でシャッターの破損被害が報告されました。
「シャッターが内側に大きく歪んでしまった」「スラットが外れて飛散した」…
など、想像以上の被害が多数発生したのです。
シャッターが破損すると、単にシャッター本体の修理費用だけでなく、雨水の侵入による家財の損害や窓ガラスの破損など、二次被害のリスクも高まります。最悪の場合、修理費用が数十万円に達するケースもあるのです。
台風が近づく前に行うべき点検ポイント
台風シーズンを前に、以下のポイントを必ずチェックしておきましょう。事前の点検で多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
1. シャッターボックスの固定状態を確認する
シャッターボックスは、シャッター全体を支える重要な部分です。ここがしっかり固定されていないと、強風で揺れて破損する原因になります。
- ボックスと壁面の間に隙間がないか
- 固定ねじが緩んでいないか
- 金具に錆が発生していないか
少しでも異常を感じたら、すぐに専門業者に相談することをおすすめします。「大丈夫だろう」と思っていても、台風の風圧は想像以上に強力です。
2. レールの状態とスラットの動きをチェック
シャッターのスムーズな動きは、適切に閉まるために不可欠です。レールに汚れやサビがあると、緊急時にシャッターが正常に閉まらないリスクがあります。
- レール内に砂やゴミが溜まっていないか
- サビが発生していないか
- シャッターを上下させた時にスムーズに動くか
- 異音がしないか
レールの掃除は、柔らかいブラシと掃除機を使って行いましょう。その後、シリコンスプレーを薄く塗布すると、動きがより滑らかになります。
3. 電動シャッターの非常時操作を確認
電動シャッターをお使いの方は、停電時の手動操作方法を必ず確認しておきましょう。台風時は停電のリスクが高まります。いざという時に操作方法がわからず、シャッターを閉められないという事態は避けたいものです。
- 手動切替えの方法を家族全員が知っているか
- 手動ハンドルの保管場所を確認
- 実際に手動で操作してみて、問題なく動くか
メーカーの取扱説明書を再確認し、必要であれば家族で操作方法を共有しておきましょう。
台風直前!シャッターの補強方法
台風が近づいてきたら、以下の対策を講じることで被害を最小限に抑えることができます。
1. 市販の補強グッズを活用する
ホームセンターなどで販売されている補強グッズを活用しましょう。
- シャッター補強バー:シャッターの内側に取り付け、風圧に対する強度を高めます。
- 突っ張り棒:窓枠とシャッターの間に設置し、内側への変形を防ぎます。
- テープ補強:強力な養生テープでシャッターの隙間を埋め、風の侵入を防ぎます。
特にシャッター補強バーは、比較的安価(5,000円〜10,000円程度)で、効果も高いため、台風が多い地域にお住まいの方には強くおすすめします。
一度購入すれば繰り返し使用できるので、長い目で見れば大変経済的です。
2. DIYで補強する方法
市販の補強グッズがない場合は、家にあるもので代用することも可能です。
- 厚手の毛布や布団をシャッターの内側に敷き詰め、クッション代わりにする
- 段ボールを重ねて作った板をシャッターの内側に立てかける
- 木材を窓枠とシャッターの間に挟み、突っ張り棒の代わりにする
ただし、これらはあくまで応急処置です。可能であれば、事前に専用の補強グッズを準備しておくことをおすすめします。
3. シャッターの正しい状態を保つ
台風時、シャッターは必ず完全に閉めきった状態を保ちましょう。半開きの状態は非常に危険です。風の力で揺れ動き、レールから外れる原因になります。
また、内側の窓も必ず閉めておきましょう。シャッターと窓の間に風が入り込むと、シャッターが大きく振動し、破損リスクが高まります。
台風通過中の注意点
台風が最も接近している間は、むやみにシャッターを操作しないことが基本です。
1. 危険を感じたら無理に操作しない
強風の最中にシャッターを操作することは非常に危険です。風にあおられてケガをする可能性があります。また、一度閉めたシャッターを開けると、風の侵入口を作ることになり、被害が拡大する恐れもあります。
2. 異常を感じたら安全な場所へ
シャッターから異音がする、大きく振動しているなどの異常を感じたら、そのシャッターから離れ、家の中の安全な場所(窓から離れた場所、可能であれば1階よりも2階など)に避難しましょう。
シャッターが破損して飛散したスラットは非常に危険です。決して様子を見ようと近づかないでください。
3. 避難情報に注意する
台風接近時は、市区町村から発表される避難情報に常に注意を払いましょう。避難指示が出た場合は、シャッターの状態よりも、まず自分と家族の命を守ることを優先してください。
事前に避難場所と避難経路を確認し、非常用持ち出し袋を準備しておくことも大切です。
台風通過後の点検と応急処置
台風が過ぎ去ったら、すぐにシャッターの状態を確認しましょう。早期発見・早期対応が二次被害を防ぎます。
1. 安全確認と基本点検
まずは周囲の安全を確認した上で、以下のポイントをチェックします。
- シャッターに歪みや変形がないか
- スラットが外れていないか
- レールに異物が詰まっていないか
- 開閉がスムーズにできるか
2. 軽微な損傷の応急処置
小さな損傷であれば、応急処置で対応できる場合もあります。
レールの詰まり:柔らかいブラシで清掃
スラットの軽い歪み:無理に直そうとせず、専門家に相談
水濡れ:乾いた布でしっかり拭き取り、錆防止のためシリコンスプレーを軽く吹きかける
ただし、素人判断で無理に修理しようとすると、かえって状況を悪化させることがあります。判断に迷ったら、必ず専門業者に相談しましょう。
3. 専門業者に依頼すべきケース
以下のような症状が見られる場合は、素人修理は避け、すぐに専門業者に連絡しましょう。
- シャッターが開閉しない
- レールが大きく変形している
- 複数のスラットが外れている
- モーターから異音がする(電動シャッターの場合)
「少しの不具合だから」と放置していると、使用を続けることで被害が拡大し、最終的に修理費用が高額になる可能性があります。早めの対応が結果的に経済的です。
特に台風シーズン後は多くの修理依頼が殺到するため、対応の遅れや信頼性の低い業者によるトラブルも少なくありません。
「でも、いざ修理しようと思っても、どの業者さんに頼めば良いのかな…」と迷ってしまうこともありますよね。特に台風シーズン後は多くの方が同じように修理を検討されるため、信頼できる業者選びが重要になります。
そんな時に参考にしていただきたいのが、「都内おすすめ修理業者5選」の記事です。
対応の早さや技術力、アフターサービスなどの観点から選んだ業者をご紹介していますので、修理をお考えの際にぜひ参考にしてみてください。安心してシャッターのメンテナンスを任せられる業者選びのお手伝いができれば幸いです。
シャッター被害の保険適用について
台風によるシャッター被害は、火災保険の風災補償でカバーされる可能性があります。
1. 保険が適用される条件
一般的に、風速20m/s以上(または竜巻)の風によって生じた損害が対象となります。ただし、保険会社や契約内容によって条件は異なります。
- 契約している火災保険に「風災補償」が含まれているか
- 免責金額(自己負担額)はいくらか
- 風速の証明はどうするか(気象庁データの活用方法)
2. 保険請求の手順
被害を発見したら、以下の手順で保険請求の準備を進めましょう。
- 被害状況の記録:スマートフォンなどで被害箇所を様々な角度から撮影
- 保険会社への連絡:被害状況を報告し、必要書類を確認
- 修理業者の手配:可能であれば複数の業者から見積もりを取得
- 必要書類の提出:修理見積書、被害写真、その他保険会社が指定する書類
保険会社によっては、独自の提携業者による調査が必要な場合もあります。早めに連絡し、指示を仰ぎましょう。
将来の台風に備えるための対策
今回の台風被害の経験を活かし、将来に備えましょう。
1. シャッターの定期メンテナンス
年に1〜2回、専門業者によるメンテナンスを受けることをおすすめします。特に台風シーズン前の点検は重要です。
- 小さな不具合の早期発見、修理
- 部品の劣化状況の確認
- 適切な潤滑剤の補充
- プロの目による安全性の確認
2. 耐風性能の高いシャッターへの更新検討
築年数が経過している場合や、繰り返し台風被害に遭っている場合は、耐風性能の高い新しいシャッターへの更新も検討する価値があります。
最新のシャッターは、従来品と比べて風圧に対する強度が大幅に向上しています。特に台風が多い地域にお住まいの方は、一度専門業者に相談してみることをおすすめします。
まとめ:備えあれば憂いなし
台風大国日本では、シャッターの台風対策は家を守るための重要な要素です。事前の点検と適切な補強を行うことで、被害を最小限に抑えることができます。
特に近年は台風の大型化が進んでいるため、「これまで大丈夫だったから」という過去の経験だけに頼るのは危険です。最新の対策情報を取り入れ、万全の準備を整えておきましょう。
「備えあれば憂いなし」の言葉通り、事前の対策が最も効果的です。この記事を参考に、大切なお家を台風から守るための準備を始めてみてください。
そして、台風シーズンが過ぎても油断は禁物です。一年を通じてシャッターを最適な状態に保ちましょう。
夏場のトラブルシューティングの記事も併せてごらんください。